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犬の耳
ひとくちに「犬」といってもそれぞれ犬種があるように、犬の耳にも種類があります。
犬の耳は大きく分けて3種類の耳の形にわかれており、その種類によって、お手入れの方法や気を付けなければならない病気やリスクが違ってきます。
深刻なトラブルになる前に日頃より耳の健康状態や耳垢をチェックして適切お手入れをしてあげましょう。
犬の耳の形は大きく分けて3種類
立ち耳(プリックイヤー)
上にむかってピンっと立ち上がった耳を立ち耳と言います。
- シベリアンハスキー
- 柴犬
- 秋田犬
- 甲斐犬
- シェパード
- コギー
- チワワ
- フレンチブルドッグ
- グレートデン
- テリア
半立ち耳(コックドイヤー)
立耳の先端部分がくるりと少し前に曲がった耳を半立ち耳と言います。
- ジャックラッセルテリア
- ボーダーコーリー
- シェットランドシープドッグ
垂れ耳(ドロップイヤー)
下の方や横の方に垂れ下がった耳を垂れ耳と言います。
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- セントバーナード
- バーニーズ
- ロットワイラー
- ミニチュアダックス
- マルチーズ
- ビーグル
- トイプードル
犬の耳の形は大きく分けると3種類ですが、さらに微妙な形の違いで細分化されています。
例えば立ち耳タイプでもパピヨン等の犬種に見られる羽を広げた蝶々のような耳の形の耳はバタフライイヤー。
垂れ耳タイプの中でも地面につきそうなほど垂れさがった耳を持つミニチュアダックス等はペンダントイヤー。
フレンチブルドッグ等に見られるコウモリの羽の様な形のバッドイヤーなどです。
犬の耳の構造
犬の耳は外耳・中耳・内耳の三つの部分で構成されています。
外から覗き込んで見えるのは外耳の一部だけです、外耳から中耳へは外耳道が途中、曲がっているので奥までは見えない作りになっています。
犬の耳のトラブルで多いのは耳の奥に水が入ってしまい、犬が自力で水を抜こうと頭をプルプルふっても水が抜けきれず、耳の中が濡れてジメジメと湿った状態が続く事です。
ジメジメと湿って蒸れた耳は、菌の繁殖が起こりやすく病気になりやすい環境になってしまいます。
犬を洗ってあげる時は耳の奥に水が入ってしまわないように注意が必要ですね。
耳の病気になりやすい犬
耳の病気に対して特に注意したいのは耳の中の通気性が悪く、耳垢が出やすい耳を持つ犬種です。
垂れ耳タイプの犬・耳毛が多い犬種・耳道が狭い犬種は通気性が悪い為、耳の中が湿り蒸れやすい環境にあります。
また耳垢が多い犬は、皮脂の分泌が多い脂漏症傾向のある犬に多く、放置してしまうと耳の病気になりやすいので、こまめに耳の状態や耳垢の異常に注意する必要があります。
耳道が狭い犬
- ブルドッグ
- フレンチブルドッグ
- パグ
特にフレンチブルドッグは鼓膜の手前にある水平耳道とよばれる部分が元々とても狭いので耳の病気になりやすい犬種ですので注意が必要です。
耳垢が多い犬
- バセット・ハウンド
- シーズー
- アメリカン・コッカー・スパニエル
遺伝的に皮脂の分泌が多い犬は、耳垢も多く、耳の病気になりやすい体質なのでこまめ耳垢の状態をチェックしましょう。
皮膚の新陳代謝が異常に早くなることで、皮膚から脂が過剰に分泌されたり、皮膚の角化(ターンオーバー)が普通よりも進んだ状態を「脂漏症」といいます。
脂漏症のワンちゃんにおススメシャンプー
耳毛が多い犬
- プードル
- シーズー
- シュナウザー
耳毛が多い犬は耳の中の通気性を確保し、排水性を良くするため為にも、耳毛を処理する必要があります。
カンシと呼ばれる毛を挟む器具や指で耳毛を抜いていましたが、最近では抜かずに耳毛をカットする方法も推奨されています。
垂れ耳の犬
- ラブラドールレトリバー
- ゴールデンレトリバー
- セントバーナード
- バーニーズ
- ロットワイラー
- ミニチュアダックス
- マルチーズ
- ビーグル
- トイプードル
垂れ耳タイプの犬は、耳の穴が隠れてしまうため通気性が悪く耳の中が蒸れやすいので定期的な観察と耳垢のケアが必要です。
耳の病気への注意が必要な犬種や、耳の形のタイプの犬を書きましたが、この項目にあてはまらない犬は耳の病気にならないという訳ではありませんのでご注意ください。
外耳炎を患っている犬はほぼ間違いなく痛みを感じており、約半数が恐怖心または不安を感じています。耳の痛みは、顔に近いため歯の痛みや、頭痛に近い痛みと言えます。毎日付き合って行くにはとても苦痛です。多くの耳の感染症は適切な診断で適切な処置をすれば完治することが多い疾患です。
— 藤井動物病院 (@FujiiACC) September 27, 2018
耳の病気は犬にとって痛みを伴う不快な病気だそうです。
飼主が犬の耳の病気に気が付かず放置してしまうと、症状が悪化してしまったり、慢性化してしまう恐れがあります。
早期治療を開始する為にも、病気に早く気が付いてあげれるように、犬の耳の状態を日頃よりチェックしてあげる事が大事ですよ
犬の耳のチェックの仕方
犬の耳を飼主さんがチェックする際のポイントは4つです。
- 耳の中の色
- 耳の中の匂い
- 犬が耳に対する行動や仕草
- 耳垢の量・質感
犬の健康的な耳の色
犬種や個体差の違いもありますが、健康的な犬の耳は白っぽい肌色~薄いピンクっぽい色をしています。
犬の外耳が赤く腫れている場合、外耳炎になっている可能性がありますよ。
犬の耳の匂い
耳の匂いを嗅いでみましょう。
健康的な犬の耳は基本的に臭くありませんが耳から強いニオイがする場合、耳の中でトラブルが起きている可能性がありますよ。
犬の行動や仕草から耳の病気を疑う
- 耳を触られるのを極端に嫌がる
- 耳をしょっちゅう掻く
- 耳を地面や床に擦り付ける
- 頭を頻繁にプルプル振る
これらの仕草が多く見られる犬は耳にトラブルが起きている可能性があります。
普段から犬の行動や仕草を観察していると、病気やトラブルに早く気が付く事が出来ますよ。
犬の耳垢をチェックしよう
健康的な耳を持つ犬の耳垢は、匂いやベタつきが少ないです。
粘りっけが強い黄色や茶色の湿った耳垢や、黒い耳垢がみられる場合は、犬の耳にトラブルが起きている可能性がありますよ。
黒い耳垢
黒ずんでベタベタした耳垢や、カサカサの黒い耳垢が大量に見られる場合、犬の耳は耳ダニに寄生されている可能性があります。
耳ダニはとても繁殖力が強く、一度犬の耳に寄生するとキッチリ全滅させるまでずっと犬の耳に寄生し続けるので、動物病院へ治療が終わるまでちゃんと通い続けましょう。
また感染力が非常に強いので、耳ダニに寄生された事がわかった場合、他の犬との接触は避ける配慮が必要です。
放置してしまうと外耳炎、中耳炎、耳血腫とどんどん状態が悪化していきますので早めの対応が重要です。
犬の黄色の耳垢
犬の耳が強いニオイの黄色っぽいジメジメした耳垢の場合、犬の耳の中が細菌におかされている可能性があります。
症状が悪くなる前に動物病院で洗浄と抗菌剤で綺麗にしてもら必要がありますよ。
症状が悪化してしまうと耳の中がただれて、腫れてしまい、外耳道壁の腫れが酷い場合は外科手術が必要になってしまいます。
悪化してしまう前に早めに病院に行きましょう。
赤茶色の耳垢
赤茶色の耳垢で、独特な発酵臭がする耳垢が大量にみられる場合、マラセチア性外耳炎の可能性があります。
マラセチアはどの犬にも存在する常在菌ですが、通気性が悪く蒸れた耳の中は異常繁殖しやすくマラセチア外耳炎になりやすい環境です。
耳の中が蒸れやすい、垂れ耳タイプの犬や脂漏症体質の犬は特にマラセチア性外耳炎の注意が必要です。
耳の疾患は症状が進んでしまうと完治するまで時間がかかってしまう為、早期治療を心掛けしましょう。おかしいな?っと感じたら病気の症状が進んでしまう前に、動物病院で受診する事が早期解決の近道ですよ。
涼しくなってくると犬の外耳炎は落ち着く傾向にあります。言い換えると直しきるチャンスです。夏場に長引いていた外耳炎をしっかり治しておきましょう。慢性化して鼓膜よりも深い場所まで感染して、平衡感覚が崩れ頭が傾いてしまう犬もいます。冬の間に動物病院に相談して治しきることを考えて下さい。
— 藤井動物病院 (@FujiiACC) October 14, 2018
自宅で出来る犬の耳掃除
自宅で出来る犬の耳掃除はとても簡単ですよ。
耳介部分に見える耳垢をイヤークリーナーで湿らせたガーゼやコットン・柔らかい布等で優しくそっと拭き取ってあげるだけです。
綿棒を使っての耳掃除は、耳の中を傷つけてしまったり、耳垢を耳の奥へ詰め込んでしまう恐れがありますのであまりおススメ出来ません。
耳の奥の耳垢は自然に少しづつ外に出て行くようになっているので、無理に取ろうとせずに、取れる範囲の耳垢をやさしく掃除してあげましょうね。
我が家での犬の耳掃除の頻度は夏場は1週間に1回、冬場は2週間に大体一回くらいのペースで耳掃除をしています。
寝ている犬の耳をそっと覗いて、耳の状態を観察します。
耳垢で汚れていたら耳掃除、汚れていなければ耳掃除無しです。
あまり頻繁に耳掃除する事はかえって耳のトラブルが起こしやすくなってしまうので気を付けて下さい。
耳垢の拭き取りは見える範囲と拭き取れる部分だけで大丈夫ですよ。
強引な耳掃除で耳の中が傷ついたりしないように、優しく耳垢を拭き取る事を心掛けましょう。
定期的な耳掃除で耳垢の量や質を観察してあげて下さいね。
繰り返しますが、おかしいな?っと感じたらすぐに動物病院で受診する事が重要です。
- 見える範囲と拭き取れる範囲の耳垢だけを拭き取る
- 傷付かないように優しく拭き取る
- 耳垢の量と状態をよく観察する
FRONTLINE PET CARE イヤークリーナー
[FrontlinePetCare]イヤークリーナー(EarCleaner)
我が家では、犬の耳掃除をする際にはFrontlinePetCareのイヤークリーナーを使用しています。元々はオーツイヤークリーナーを使用していましたが、耳掃除後に少し赤見が出ているような感じと、耳掃除を嫌がる素振りが気になったので、オーツイヤークリーナーの使用を中止し、Frontline Pet Careのイヤークリナーに変更いたしました。
オーツ系(オーツ麦)のイヤークリーナーはアレルギー反応がある犬には使用を控える用にと注意事項に記載されています。
フロントラインペットケアのイヤークリーナーに変更したところ、赤見が出るような事や、嫌がる素振りも無く気持ち良さそうに掃除をさせてくれているので、我が家の犬にはオーツ麦の成分が合わなかった可能性がありましたので、変更して良かったです。
またオーツイヤークリーナーは液状なのですが、FRONTLINE PET CAREのイヤークリーナーはトローっとした、クレンジングゲルの様になっているので、耳垢にしっかり吸着し拭き取りやすい所も気に入っています。
少し難点をあげるとFRONTLINE PET CARE EarCleanerはとても良い犬のイヤークリーナーなのですが、日本では扱っているお店が専門店や、動物病院などだけで、入手出来る経路が少なく少しお値段が高いところです。
しかしながらペット先進国であり厳しい安全基準をクリアしたMade in EUの間違いない製品であることから、大切なワンちゃんの耳のケアにおすすめしたいイヤークリーナーです。