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犬の年齢を人間に例えた年齢表
※カンザス州立大学の老齢医学専門家が2012年に発表した犬の年齢を人間の年齢に換算した場合の表を基に作成しました。
犬の年齢は人間が年を重ねるよりも早いスピードで年をとる
上記の犬の年齢表を見てもらえばわかると思いますが、犬は人間よりも、とても速いスピードで成長し年を重ねていく事がわかります。
犬が1歳になった頃には人間に言い換えると約13歳
犬が2歳になった頃には人間に言い換えると約24歳
つまり犬が2回目のお誕生日を迎える頃には、既に成人式も終わって立派な成犬になっているという事です。
※2歳を超えた頃から体格が大きい犬程、年齢を重ねるスピードが早くなり、体格が小さい犬ほど年齢を重ねるスピードが緩やかになります。
ちなみに今この記事を書いている現時点で
黒ラブの「なちぐろ」は4歳
チョコラブの「ボルジャーノ」は5歳です。
つまり我が家の2匹のラブラドールレトリバー「なちぐろ」と「ボルジャーノ」を人間の年齢に例えるなら
- なちぐろ4歳…人間で言えば約38歳
- ボルジャーノ5歳…人間で言えば約45歳
嘘やろっ!?と思わず自分で書きながら声に出してしまいましたが
いつまでも子供だと思っていた「ボルジャーノ」も「なちぐろ」も、ついこの間まで仔犬だったような気がする2匹が
いつのまにやらあっと言う間に熟女に…否
立派なレディーになっていたんです。
早い、早すぎる…
(ってかレディー感は無い)
ドッテンバッタンしながら過ごして来た毎日だったので
子供だと思って来た2匹ですが、いつのまにか、こんなに年を重ねていたんですね。
今回作った「犬の年齢を人間の年に例えた表」は
みんなで見ながらワーワー楽しむ為に作った表でもあるのですが
犬のライフステージを意識する事に役立てる為に作った表でもあるんです。
人も犬も含め全ての生き物達は
産まれてから成長し成熟したのち、その一生を終えていきます。
犬が誕生してから死ぬまでの一生の中で
年齢にともなって変化していく事を節目ごと、段階事に分けた物をライフステージと言います。
犬の年齢を人間に換算する表を見て犬のライフステージを意識する
犬は私達人間に比べ何倍ものスピードで成長し歳を重ねていく生き物です。
犬の年齢を人間に換算した表を見て、飼い主さんに意識して欲しい事は
自分の犬が今、どのライフステージにいるのかを目安にして
(※あくまで目安)
ライフステージにあった犬の生活環境作りをしてあげて欲しいという事です。
成長期(幼犬期)の犬
成長期(幼犬期)は犬の体全体が目に見えてドンドン大きくなっていく時期です。
必要な栄養も成犬期に比べ約2倍以上必要になりますが
単純にご飯の量を2倍以上に増やせば良いと言う訳ではありません。
成長期の犬の体は胃や腸も発達途中にあるので、一度に沢山のご飯を消化吸収する事が困難な為、栄養価が高い(高カロリー)成長期用、パピー用のフードを選んで与えてあげましょう。
ご飯をあげる回数も一日分に必要な量を計算し、ちゃんと計量した分量を時間をおいて3回~5回に分けてあげるのが効率的に栄養素を吸収されるので良いとされています。
また成長期(幼犬期)の時期は骨格や筋肉など体の成長だけでは無く
犬の社会化に大きく影響するとても大切な時期でもあります。
犬が経験を通じて社会(生活環境)に順応する方法を学ぶ事を犬の社会化といいます。
犬の社会化は一生を通して生涯続くものですが成長期の時期の中でも特に産まれてから生後三ヵ月以内の時期は社会化期と呼ばれ、この期間に経験した事が、犬の性格や行動に大きく影響する、とても大切な時期でもあるのです。
社会化期の犬に沢山の人や物や動物など多くの物事に触れさせて経験を積ませる事は半分正解ですが半分不正解の正しい答えではありません。
もちろん社会化期を迎えた仔犬達に沢山の初めてを経験させてあげる事はとても大事な事なのですが、仔犬達にとって初めて経験する事は楽しい経験、自分にとって味方だと思えるような経験になるようにしなければいけません。
社会化期を迎えた仔犬が、産まれて始めて出会った年配の男性に、優しく接してもらい楽しく遊んでもらえた。
味方であり楽しく遊んでくれる人間と覚えます。
犬は年配の男性は自分にとって、社会化期を迎えた仔犬が、産まれて始めて出会った年配の男性に、いきなり大きな声で怒鳴られたり、乱暴な扱いを受けて嫌な思いや怖いをさせられてしまった
敵であり嫌な人間と覚えてしまいます。
犬は年配の男性は自分にとって犬は自分にとって敵だと認識してしまった中年の男性に対して、中年の男性が近くを通ったり見かけてしまうだけで怖がってしまったり吠えてしまうようになってしまいます。
わかりやすく理解してもらう為にあえて極端な書き方をしましたが
犬の社会化期という時期は、ただ新しい物事や人や生き物に沢山触れさせれば良いという訳では無く、犬が人間と一緒に生活するうえでの術を飼主さんが正しく学ばせてあげる必要がある時期だという事です。
犬の社会化についてもっと詳しく知りたい方は、動物トレーニングと行動のコンサルタント、ブラインドドッグ(目の見えない犬達)のトレーニングスペシャリストである斎藤美紀さんのHPで詳しく解説されており、とてもわかりやすい図があったので引用させていただきます。
引用元:Miki Saito, CPDT-KA – Animal Training and Behavior
犬の社会化を正しく理解できていますか?より抜粋
成犬期の犬
※あくまで目安で個体差があります
小型犬は成長期が早く終わる傾向にあり
大型犬は成長期が終わるのが遅い傾向にあります。
成長期が終わり犬の体が成犬として整い終えると犬のライフステージは成犬期に入ります。
この頃には、摂取カロリーを徐々に抑えていき成長期用のフードから成犬期用のフードに切り替えていく必要があります。
犬は成長期が終わると、年を重ねる事に徐々に太りやすい体質になっていくので
飼主さんは犬の栄養管理をしっかりしてあげましょう。
犬が一日に必要な摂取カロリーを毎回計算するのは結構大変なので、犬のライフステージにチェックを入れ体重を入力すれば自動で計算してくれる計算機を設置しましたので活用して下さい。
※医師の栄養指導を受けている犬は必ず医師の指示を守りましょう。
とはいえ、この計算機でわかる犬の一日に必要な摂取カロリー量は、基本値の目安程度に考えて下さい。
あくまでも計算機で出される数字は基本値なので、犬の飼育環境や個体差、筋量の違いなどは考慮して正確に算出する事は出来ません。
犬にただ決まった量のフードやご飯を与え続けるのでは無く
犬との日々の生活の中で犬の状態や体重の増減をしっかり観察して、飼主さんはご飯やフードの量を調整してあげる事が大切なのです。
また成長期用のフードから成犬期用のフードに変える際には
いきなり新しい成長期用のフードに全て交換してしまうのでは無く、少しずつ交換していく方法をおすすめします。
成長期に食べていたフードを成犬期用のフードに交換する際には、犬が新しいフードに慣れるまで成長期用のフードに成犬期用のフードを混ぜながら与えていきましょう。
まずは半分くらいの割合で始め、徐々に成犬期用フードの割合を増やしていき最終的には成犬期用のフードに完全に移行するようにします。
※成長期用のドッグフードと成犬期用のドッグフードでは1gあたりのカロリー量に違いがあるので、混ぜて与える際には合計カロリーに注意して計算して下さい。
また成犬期の犬は元気に満ち溢れている時期でもあります。
犬と一緒にドッグランへ遊びに行ったり
オモチャを使って体を沢山動かしたり
しっかりとした運動でエネルギーを発散させ栄養バランスの良い食事を犬に与えてあげる事で健康的な体作りを目指す事を心掛けましょう。
栄養バランスの悪い食事や生活習慣は加齢に大きく影響してしまいます。
おねだりされると、ついついあげてしまいたくなってしまう、そのお気持ちはとても良くわかりますが(カワイイですもんね…)犬に人間の食事をおすそ分けしたり、オヤツやご飯を必要以上に与え過ぎる事は肥満の原因です。
そして特に生活習慣面で飼主さんが犬の為に気を付けてあげたい事が犬の口腔ケアです。
犬猫の歯のお手入れはとても大変ですが、手入れをすると寿命が平均15%、約2年伸びるといわれています。毎日の歯磨き、口腔内細菌のコントロールそして、定期的な獣医師の歯周のチェックを忘れないでください。歯石をとることだけでなく歯周病をしっかりと診断することが将来の為にとても大切です。
— 藤井動物病院 (@FujiiACC) August 15, 2016
歯周病はイヤ~な口臭だけでは無く、年齢を重ね悪化させてしまうと様々な病気を引き起こしてしまう原因になり高齢期の犬のQOL(生活の質)にも大きく影響してしまいます。
犬を生涯元気に長生きさせてあげる為にも定期的なハミガキで歯周病予防をしてあげましょう
高齢期に入りますと犬の代謝能力や運動量は徐々に減ってきてしまいます
犬が年齢を重ねていく事を止める事は出来ませんが
成犬期の間に健康的な体作りや生活習慣を意識する事で犬の加齢を遅らせる事は可能ですよ。
高齢期の犬
犬が成犬期を終えて、高齢期(シニア期)のライフステージに入る年齢に明確な定義はありませんが、犬の平均寿命の二分の一をこえた頃から、犬のライフステージは高齢期(シニア期)に入っていくとされています。
- 小型犬・中型犬はだいたい9歳頃から
- 大型犬は7歳頃から
- 超大型犬は5歳ころから
犬を人間の年齢に当てはめて考えてみると大体59歳頃になります。
※カンザス州立大学の老齢医学専門家の犬の年齢を人間に例えた表参照
犬のライフステージが高齢期に入る時期は個体差や飼育環境、健康状態などによって大きく差が出るのであくまでも目安程度に考えて欲しいのですが、犬の年齢を考えて犬のライフステージが徐々に高齢期に入っていく事を飼主さんは意識してあげましょう。
ただし飼主さんは犬のライフステージが高齢期に入った事を年齢だけで判断してしまうのでは無く、日々の生活の中で犬の様子を観察しながら高齢期(シニア期)に入った事を判断してあげる事が必要です。
高齢期に入った犬の見た目のサイン
- 白髪が増えた
- お尻や足の筋肉が落ちて細くなった
- イボなどが増えたり出来やすくなった
- 皮膚や毛質が悪くなった
- 目の奥が白くなってきた
高齢期に入った犬の行動のサイン
- 歩き方が変わった(筋力、関節可動部分の幅低下)
- 壁や物にぶつかりやすくなった(視力の低下)
- トイレに失敗しやすくなった(泌尿器官の筋力低下)
- 名前を呼んでも反応しなくなった(聴力の低下)
- 食欲が減った(内臓機能の低下)
上記の例にあてはまるからと言って、犬が絶対に高齢期に入っているとは限りませんが、少なくとも犬が高齢期に近づいている可能性が高い事を飼主さんは意識しましょう。
他にも、飼主さんが犬の老化に気付きやすい場面は
- お散歩中の歩き方(ふらつき、もたつき)
- 食事への食いつき(食べない、食べにくそう、食べるのが遅くなる)
- おもちゃで一緒に遊ぶ時
犬との日々の暮らしの中で犬の小さな変化に気づいてあげる事が犬の老化を見逃さないコツです。
高齢期に入っても、犬が楽しみにしている事や今まで一緒に過ごして来た事を無理やり制限したり、とりやめたりする必要はありませんよ。
もちろんお散歩も行くべきですし、一緒に遊ぶ時間も今まで通り作ってあげてください。
お散歩は筋肉の維持だけでは無く、太陽に浴びたり、いろんなニオイを嗅いだり、いろんな音を聞いたり、いろんな人や犬達と交流したり触れ合ったりコミュニケーションを取る事で脳の老化予防にとても効果的です。
ただし、階段や坂道に犬が辛そうにしている場合などは散歩のルートを代えてあげたり、歩くスピードを落としたり、散歩の距離を調節してあげるなどして様子を見ながら行きましょう。
散歩の距離が減ってしまった場合は散歩に行く回数を増やすなど、その犬にあった工夫をしてあげましょう。
若い時のようにはいかない事もありますが、出来ない事を悲観してしまうよりも、工夫をこらして楽しめる手助けをしてあげて下さいね。
段差をなくす
犬の定位置(ソファなど)や普段生活していて通る場所(玄関など)段差の登り降りが難しくなってきている場合には、クッションなどを利用したりして段差を解消してあげましょう。
温度調整をしてあげる
老化が進むと犬は体温の調整が上手に出来ずに体調を崩しやすくなってしまいます。
夏場の暑い日の日中は散歩を避けて日が出ていない早朝や夜に行くようにしたり、冬場の寒い日は動きやすい服を着せてあげるなど工夫をしてあげましょう。
犬が若い時でも夏場の暑い時間帯の散歩は熱中症の危険性があるので避けるべきなのですが、老化の進んだ犬には近年続いている、日本の猛暑はかなり危険だと認識しておきましょうね。
また室内飼いの場合は、エアコンで室内の温度を快適な温度に設定してあげるようにしましょうね
半年に一度は定期健診に通う
年に二回は動物病院で健康診断を受けて、犬の健康状態をチェックしてもらいましょう。
高齢期になると、なにかと獣医師さんのお世話になる事が増えてきます。
気になる事や相談したい事は遠慮せずに獣医師さんにしっかり質問してアドバイスをもらいましょう。
また深夜や早朝など、かかりつけの動物病院が診療時間外の時間帯に緊急の事態になった場合でも、飼主さんは慌てず速やかに行動出来るように
自分が住んでいる地域の深夜や早朝でも診察可能な救急動物病院の有無や場所などはしっかり確認しておきましょう。
ご飯やフードの栄養管理
高齢期になると犬は寝ている時間やゴロゴロしている時間が多くなり、活動時間が短くなるので筋肉も基礎代謝も徐々に減っていきます。
それにともない高齢期の犬が一日に必要なカロリー量も減っていくので、成犬期に食べていたフードやご飯を食べ続けていると犬は肥満や病気の原因となってしまいます。
フードやご飯は脂肪分が少ない高齢期用(シニア期用)のフードに徐々に交換し犬が必要な一日のカロリー量を計算し直し、しっかり栄養管理をしてあげましょう。
※フードの移行の仕方やカロリー計算機は成犬期の章を参照
さらに年齢を重ねた高齢期(シニア期)の犬は段々食が細くなってしまい、フードやご飯が食べられなくなってしまったり、食べても栄養を吸収する事が上手に出来なくなってしまう場合など様々なケースが出てきてしまいます。
その場合はフードを逆に高カロリーな物に変えてみたり、消化吸収に優れたご飯に変えるなど、その時の情況に応じて工夫してあげる必要が出てきます、飼主さんだけで判断出来ない場合は獣医師さんと相談してから決めましょう。
犬が年齢を重ねても変わらないもの
犬の年齢は、あっと言う間に飼主さんの年齢を追い越していき、ライフステージもどんどん進んで行きますが
犬はどのライフステージでも、どんなに歳を取ろうとも、嬉しい事、楽しい事、そして何よりも飼主さんである貴方の事が大好きです。
犬は歳を取るにつれて体を上手に動かしにくくなってしまっても、楽しい事や嬉しい事を飼主さんと一緒に過ごしたいと思う気持ちが変わる事はありません。
犬との生活を最後まで穏やかで幸せな毎日に過ごす為には、体の健康だけではなく心の健康も大切にしてあげる事を忘れないであげてくださいね。